外国語

柄谷行人さんは、外国語をやるとバカになれると言っていました。


「頭がおかしくなってきたときは語学をやればいいんです。一つの理由として、日々確実に進歩するということがありますね。これは精神衛生的にいい。もう一つの理由は、外国語をやるとバカになれるということです。何も考えられない。考えるということは、母国語によるのですから」(『言葉と悲劇』418頁)


外国語を話せず、洋書を読む習慣のない自分は、考え続けているのかもしれません。しかし、本当に考えているのか分からなくなるときがあります。本当に考えているのか分からなくなって疲れてしまう。これは精神衛生的に悪いのでしょうか。


ところで今テープ起こしをやっています。テープの内容は自分とある方のやりとりを録音したものです。テープを起こしているときは、耳で聞いた言葉をタイピングする単純労働なので、比較的疲れが少ない気がします。ただ、自分の声、(決して好ましくない)自分の過去を聞いているので、バカになれているのか、精神衛生的に良いことなのか分かりません。